キャリアパス要件Ⅳ(改善後の年額賃金要件)とは、どのような要件ですか?(令和8年度 処遇改善加算Q&A・キャリアパス要件Ⅳ(年収440万円・460万円))

令和8年度 Q&A|キャリアパス要件Ⅳ(年収440万円・460万円)

キャリアパス要件Ⅳ(改善後の年額賃金要件)とは、どのような要件ですか?

公開 2026年9月26日|監修 小野 好聡(公認会計士・税理士・行政書士)

お答えします

キャリアパス要件Ⅳは、経験・技能のある介護職員(障害福祉は福祉・介護職員)のうち1人以上について、賃金改善後の賃金の見込額を年額440万円以上(障害福祉は460万円以上)にする要件です。加算Ⅰ・Ⅱ(令和8年6月以降はⅠイ・Ⅰロ・Ⅱイ・Ⅱロ)で必要です。障害福祉では、職場環境等要件の取組を全体から14以上実施していれば、この要件を満たすものとされます。

スポンサーリンク

一解説

くわしい解説

経験・技能のある職員の1人以上を、年額440万円(障害福祉は460万円)以上にします

キャリアパス要件Ⅳでは、経験・技能のある介護職員(障害福祉は福祉・介護職員)のうち1人以上について、賃金改善後の賃金の見込額が年額440万円以上(障害福祉は460万円以上)であることが求められます。

見込額には、処遇改善加算を算定して行う賃金改善の見込額も含みます。処遇改善加算による賃金改善の前から年額440万円(障害福祉は460万円)以上である人は、この1人には数えません。

この要件は、令和8年6月より前から加算の対象だったサービスの加算Ⅰ・Ⅱ(令和8年6月以降は加算Ⅰイ・Ⅰロ・Ⅱイ・Ⅱロ)で必要です(加算の区分の違い)。年額に含める賃金の範囲と、経験・技能のある職員の考え方は、別のページで説明しています(年額440万円・460万円に含める賃金、経験・技能のある職員)。

介護には、合理的な説明がある場合の例外があります

介護の通知は、例外的に賃金改善が困難な場合で、合理的な説明がある場合は、この要件を満たさなくてもよいとしています。例として、次の場合が挙げられています。

  • 小規模事業所等で、職種間の賃金バランスに配慮が必要な場合
  • 職員全体の賃金水準が低い、地域の賃金水準が低い等の理由により、直ちに年額440万円まで賃金を引き上げることが困難な場合
  • 年額440万円の賃金改善を行うに当たり、規程の整備や研修・実務経験の蓄積などに一定期間を要する場合

「合理的な説明」の考え方は、別のページで説明しています(年額440万円の要件と合理的な説明)。障害福祉の通知には、この例外の定めはありません。

障害福祉では、職場環境等の取組14以上でも満たせます

障害福祉の通知は、職場環境等要件の取組を全体から14以上実施している場合は、キャリアパス要件Ⅳを満たしているものとしています。職場環境等要件の取組は、別のページで説明しています(職場環境等要件)。

令和8年度の誓約は、介護と障害福祉で条件が違います

介護では、申請時点で令和8年度特例要件を満たす事業所に限り、誓約による扱いがあります。特例要件の取組を行うことを誓約した事業所も含まれます(4月・5月分と特例要件)。処遇改善計画書で令和9年3月末までに年額440万円以上とする賃金改善を行うと誓約すれば、申請の時点から要件を満たしているものとして扱われます。

障害福祉の通知には、特例要件を満たす事業所に限るという条件が書かれていません。処遇改善計画書で、令和9年3月末までに年額460万円以上とする賃金改善か、職場環境等要件の取組を全体から14以上行うことを誓約すれば、申請の時点から要件を満たしているものとして扱われます。

どちらも、誓約した場合は令和9年3月末までに実施し、実績報告書でその旨を報告します(誓約で要件を満たす扱い)。

※本ページは、令和8年度の処遇改善加算について、国の通知とQ&Aをもとにした一般的な解説です。届出や算定の個別の取扱いは、指定権者(都道府県・市区町村)の案内もあわせて確認してください。

二介護と障害福祉

介護と障害福祉の違い

経験・技能のある職員の1人以上を一定の年額以上にする点は同じです。基準の金額、例外、満たし方、誓約の条件が違います。

項目介護障害福祉
基準の金額年額440万円以上年額460万円以上
合理的な説明による例外通知に定めあり通知に定めなし
職場環境等要件による充足定めなし職場環境等の取組を全体から14以上実施していれば満たす
令和8年度の誓約令和8年度特例要件を満たす事業所に限り、賃金改善を誓約特例要件の条件なし。賃金改善か、職場環境等の取組14以上を誓約

三一次情報

根拠となる通知・Q&A(原文)

ここからは、国が示した通知とQ&Aの原文です。文字は原文のままで、行の折り返しだけを整えています。障害福祉の令和8年度分の通知とQ&Aは、2026年9月26日の時点で厚生労働省のホームページに見当たらないため、大阪府のホームページに掲載された写しから引用しています。

介護介護の通知 3⑴⑤

⑤ キャリアパス要件Ⅳ(改善後の年額賃金要件)

経験・技能のある介護職員のうち1人以上は、賃金改善後の賃金の見込額(処遇改善加算を算定し実施される賃金改善の見込額を含む。)が年額440万円以上であること(処遇改善加算による賃金改善以前の賃金が年額440万円以上である者を除く。)。ただし、以下の場合など、例外的に当該賃金改善が困難な場合であって、合理的な説明がある場合はこの限りではない。

・ 小規模事業所等で職種間の賃金バランスに配慮が必要な場合

・ 職員全体の賃金水準が低い、地域の賃金水準が低い等の理由により、直ちに年額440万円まで賃金を引き上げることが困難な場合

・ 年額440万円の賃金改善を行うに当たり、規程の整備や研修・実務経験の蓄積などに一定期間を要する場合

また、令和8年度においては、処遇改善加算の申請時点において、⑧の令和8年度特例要件を満たす介護サービス事業所等に限り、処遇改善計画書において令和9年3月末までに上記の賃金改善を行うことを誓約した場合は、処遇改善加算の申請時点からキャリアパス要件Ⅳを満たしているものとして取り扱うこととする。当該誓約をした場合は、令和9年3月末までに当該賃金改善を行い、実績報告書においてその旨を報告すること。

出典:「介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分)」(老発0313第6号、令和8年3月13日、厚生労働省老健局長)
掲載:厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001675724.pdf)/2026-09-26 取得

障害福祉障害福祉の通知 3(1)⑤

⑤ キャリアパス要件Ⅳ(改善後の年額賃金要件)

経験・技能のある福祉・介護職員のうち1人以上は、賃金改善後の賃金の見込額(処遇改善加算を算定し実施される賃金改善の見込額を含む。)が年額460万円以上であること(処遇改善加算による賃金改善以前の賃金が年額460万円以上である者を除く。)。

なお、キャリアパス要件Ⅳについては、後述する「⑦職場環境等要件」において、全体から14以上の取組を実施している場合は、要件を満たしているものとする。

また、令和8年度においては、処遇改善加算の申請時点において、処遇改善計画書において令和9年3月末までに上記の賃金改善又は上記の「⑦職場環境等要件」について全体から14以上の取組を行うことを誓約した場合は、処遇改善加算の申請時点からキャリアパス要件Ⅳを満たしているものとして取り扱うこととする。当該誓約をした場合は、令和9年3月末までに当該賃金改善を行い、実績報告書においてその旨を報告すること。

出典:「福祉・介護職員等処遇改善加算等に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」(令和8年度分)(障障発0331第1号・こ支障第78号、令和8年3月31日、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課長、こども家庭庁支援局障害児支援課長)
掲載:大阪府(https://www.pref.osaka.lg.jp/documents/126420/r8_4_syoguukaizen_jimusyoritejyun.pdf)/2026-09-26 取得

編集注障害福祉の表2-1(令和8年4月・5月)は、キャリアパス要件Ⅳの欄を「440万円一人以上」としていますが、通知の本文(3(1)⑤)は年額460万円以上としています。4月・5月分の扱いなど判断に迷う点は、指定権者に確かめてください。

スポンサーリンク