年収440万円の要件を満たせないときの「合理的な説明」とは、どのようなものですか?(令和8年度 処遇改善加算Q&A・キャリアパス要件Ⅳ(年収440万円・460万円))

令和8年度 Q&A|キャリアパス要件Ⅳ(年収440万円・460万円)

年収440万円の要件を満たせないときの「合理的な説明」とは、どのようなものですか?

公開 2026年9月26日|監修 小野 好聡(公認会計士・税理士・行政書士)

お答えします

国のQ&Aは、合理的な説明の例として3つの理由を挙げています。小規模事業所等で職員間の賃金バランスに配慮が必要なこと、職員全体や地域の賃金水準が低く、直ちに年額440万円まで引き上げることが困難なこと、規定の整備や研修・実務経験の蓄積に一定期間を要することです。指定権者の判断により、幅広く認められるものとされています。

スポンサーリンク

一解説

くわしい解説

介護の通知には、例外の定めがあります

介護のキャリアパス要件Ⅳは、経験・技能のある介護職員のうち1人以上について、賃金改善後の賃金の見込額を年額440万円以上にする要件です(キャリアパス要件Ⅳ)。

通知は、例外的にこの賃金改善が困難な場合であって、合理的な説明がある場合は、この要件を満たさなくてもよいとしています。

国のQ&Aが示す、合理的な説明の例

国のQ&Aは、合理的な説明の例として、次の理由を挙げています。

  • 小規模事業所等で、職員間の賃金バランスに配慮が必要
  • 職員全体の賃金水準が低い、地域の賃金水準が低い等の理由により、直ちに年額440万円まで賃金を引き上げることが困難
  • 年額440万円の賃金改善を行うにあたり、規定の整備や研修・実務経験の蓄積に一定期間を要する

Q&Aは、これらの理由が考えられるとし、指定権者の判断により、幅広く認められるものだとしています。指定権者とは、事業所の指定を行う都道府県や市町村などのことです。

障害福祉の通知には、この例外の定めはありません

障害福祉の通知のキャリアパス要件Ⅳ(年額460万円以上)には、合理的な説明による例外の定めはありません。

障害福祉では、職場環境等要件の取組を全体から14以上実施している場合に、キャリアパス要件Ⅳを満たしているものとされています(職場環境等要件)。

※本ページは、令和8年度の処遇改善加算について、国の通知とQ&Aをもとにした一般的な解説です。届出や算定の個別の取扱いは、指定権者(都道府県・市区町村)の案内もあわせて確認してください。

二介護と障害福祉

介護と障害福祉の違い

介護この問は介護のQ&Aだけにあります。障害福祉の通知のキャリアパス要件Ⅳには、合理的な説明による例外の定めがありません。

三一次情報

根拠となる通知・Q&A(原文)

ここからは、国が示した通知とQ&Aの原文です。文字は原文のままで、行の折り返しだけを整えています。障害福祉の令和8年度分の通知とQ&Aは、2026年9月26日の時点で厚生労働省のホームページに見当たらないため、大阪府のホームページに掲載された写しから引用しています。

介護介護のQ&A 問5-8

問5-8 キャリアパス要件Ⅳの改善後の年額賃金要件について、「例外的に当該賃金改善が困難な場合であって、合理的な説明がある場合はこの限りではない」との記載があるが、「合理的な説明」とはどのようなものを想定しているのか。

(答)

・ 合理的な説明の例としては、

- 小規模事業所等で職員間の賃金バランスに配慮が必要、

- 職員全体の賃金水準が低い、地域の賃金水準が低い等の理由により、直ちに年額440万円まで賃金を引き上げることが困難、

- 年額440万円の賃金改善を行うにあたり、規定の整備や研修・実務経験の蓄積に一定期間を要する

等の理由が考えられ、指定権者の判断により、幅広く認められるものである。

出典:「介護職員等処遇改善加算に関するQ&A(第1版)」(事務連絡、令和8年3月13日、厚生労働省老健局老人保健課)
掲載:厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001675711.pdf)/2026-09-26 取得

介護介護の通知 3⑴⑤

⑤ キャリアパス要件Ⅳ(改善後の年額賃金要件)

経験・技能のある介護職員のうち1人以上は、賃金改善後の賃金の見込額(処遇改善加算を算定し実施される賃金改善の見込額を含む。)が年額440万円以上であること(処遇改善加算による賃金改善以前の賃金が年額440万円以上である者を除く。)。ただし、以下の場合など、例外的に当該賃金改善が困難な場合であって、合理的な説明がある場合はこの限りではない。

・ 小規模事業所等で職種間の賃金バランスに配慮が必要な場合

・ 職員全体の賃金水準が低い、地域の賃金水準が低い等の理由により、直ちに年額440万円まで賃金を引き上げることが困難な場合

・ 年額440万円の賃金改善を行うに当たり、規程の整備や研修・実務経験の蓄積などに一定期間を要する場合

また、令和8年度においては、処遇改善加算の申請時点において、⑧の令和8年度特例要件を満たす介護サービス事業所等に限り、処遇改善計画書において令和9年3月末までに上記の賃金改善を行うことを誓約した場合は、処遇改善加算の申請時点からキャリアパス要件Ⅳを満たしているものとして取り扱うこととする。当該誓約をした場合は、令和9年3月末までに当該賃金改善を行い、実績報告書においてその旨を報告すること。

出典:「介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分)」(老発0313第6号、令和8年3月13日、厚生労働省老健局長)
掲載:厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001675724.pdf)/2026-09-26 取得

障害福祉障害福祉の通知 3(1)⑤(抜粋)

⑤ キャリアパス要件Ⅳ(改善後の年額賃金要件)

(略)

なお、キャリアパス要件Ⅳについては、後述する「⑦職場環境等要件」において、全体から14以上の取組を実施している場合は、要件を満たしているものとする。

(略)

出典:「福祉・介護職員等処遇改善加算等に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」(令和8年度分)(障障発0331第1号・こ支障第78号、令和8年3月31日、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課長、こども家庭庁支援局障害児支援課長)
掲載:大阪府(https://www.pref.osaka.lg.jp/documents/126420/r8_4_syoguukaizen_jimusyoritejyun.pdf)/2026-09-26 取得

編集注介護のQ&A(問5-8)は、合理的な説明の例の1つ目を「職員間の賃金バランス」と書いていますが、通知の本文(3(1)⑤)の同じ例は「職種間の賃金バランス」です。

スポンサーリンク